姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
こうして簡単に手のひらを返す姉の姿を見て愕然としていた。
まるで、今までの事が何もなかったように平然と言っている姿を見て怒りが込み上げてくる。
もし母がこの場に居たとしても、きっと同じ事をするのだろう。

(どうして……?私がお姉様の味方になるって本当に思っているの?これだけの事をしておいて……!!)

今までは、そんな理不尽を当たり前のように受け入れていた。
家族だから、姉だから仕方ない……そんな思いがあったのかもしれない。

けれど、今は違う。ハッキリと分かるのだ。
もう姉に振舞わされる必要はない……そう思った。

伸ばされた手を避ける様に一歩、後退する。
静かに首を横に振ってから、焦りからか眉を寄せる姉を真っ直ぐに見据えた。


「お姉様、傷付けた人達に謝罪してください」

「!?」

「誠意を見せて……罪を、償って下さい!!」


今までのように、姉を庇うことなく淡々と告げる。
言い訳をしながら、しおらしい態度を取っていた姉は、血走った目で此方を睨みつけた後に掴みかかろうと手を伸ばす。
その行動から姉にとっては自分は家族ではなく、都合の良い駒なのだと思い知らされる。
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