姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
それに一番驚いたのは、あんなにひ弱そうなゼルナがとても強かった事だろうか。

ある日「猛獣が現れた」と従者が知らせにやって来た。
初めての事に狼狽えていたのは自分だけだった。
皆「今夜は楽しみだ」と言っていたが、言葉の意味が分からずにいた。

そんな時、ゼルナがブルを連れて平然とその方向に向かっていく。
何の武器も持たずに……。

心配になり引き留めるようとすると、マーサが「坊ちゃんはとても強いので大丈夫ですよ」と言って笑っていた。

けれどその猛獣を捕まえる為に犠牲者は沢山出ていると聞いた事があった。
ハラハラとした気持ちでゼルナが帰ってくるのを待っていた。


「…………ただいま」


ゼルナは何の武器も持たずに出て行ったのにも関わらず、無傷で帰ってきたのだ。

(凄い……ゼルナ様は、噂通りとてもお強いのね)

感動したのも束の間、ゼルナが平然と引き摺っている猛獣が目に入った瞬間……。


「ーーヒッ!?」


驚き過ぎて言葉を失い、後ろに倒れ込んだのだった。
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