姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
「役に立てないなんて、とんでもない……!ウェンディ様はこの生活に馴染む為に沢山努力しております!本当に素晴らしいのですよ」

「ほう……!」

「わたしの手伝いも沢山してくれて……とても助かっているのです」

「……マーサさん」

「こうして未経験から、お一人でレシピ通りに料理を作られて凄いです……!まさか奥様と同じように、一緒に料理を作れる御令嬢が現れるなんて……わたしは嬉しいです」


マーサは嬉しそうに笑みを作る。


「そうか……ウェンディ、不便を掛けているな。此処での生活は、王都で暮らしている時とは違って大変だろう」

「いえ……最初は大変でしたが、今は新しい発見が沢山あって、とても楽しいです」

「マーサと良い関係を築いて、こうして料理を振る舞ってくれるなんてな……ウェンディは一生懸命、こちらに歩み寄ろうとしてくれているんだな」

「………っ」


俯きながら唇を噛んでいるゼルナに気付くことはなく、首を横に振った。


「こちらこそ……婚約を解消したばかりのわたくしを何も言わずに受け入れて下さり、ありがとうございました」

「…………理由は聞いているよ。それに此方もちゃんと調べさせて貰った」

「え……?」
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