姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
屋敷を訪ねてきたウェンディにブルが飛びついた瞬間に「もうだめだ」「やってしまった」と思った。
皆と同じように、父に文句を言って怒りながら帰っていくだろう。
倒れてしまったウィンディに手を差し伸べたものの、力加減を間違えたらどうしよう、と思うと緊張してしまった。
(触れたら、折れてしまいそうだ……)
自分を従者だと思ったようで「ゼルナ様はいますか?」と尋ねてきたが、名前を言うだけで精一杯だった。
その後もウェンディはずっと屋敷に居て懸命に仕事をこなしていた。
特に此方に干渉してくる事もなく、マーサと仲良さげな話し声が度々聞こえていた。
自分がちゃんとしなければ……ウェンディと向き合わなければと、心の中でそう思っていても、何も出来ないまま時が過ぎていく。
夫婦らしい会話をしたことなんて一度もなかった。
ウィンディは、普通ならば絶対に嫌厭する姿を見ても平然としていた。
素手で自分よりも大きな動物を倒して持ち帰ったとしてもウェンディは倒れはしたものの、逃げ出したりしなかった。
(何で……?)
それが不思議で、嬉しくて仕方がない反面で、誰にも受け入れられない現実を知ることが怖かった。
皆と同じように、父に文句を言って怒りながら帰っていくだろう。
倒れてしまったウィンディに手を差し伸べたものの、力加減を間違えたらどうしよう、と思うと緊張してしまった。
(触れたら、折れてしまいそうだ……)
自分を従者だと思ったようで「ゼルナ様はいますか?」と尋ねてきたが、名前を言うだけで精一杯だった。
その後もウェンディはずっと屋敷に居て懸命に仕事をこなしていた。
特に此方に干渉してくる事もなく、マーサと仲良さげな話し声が度々聞こえていた。
自分がちゃんとしなければ……ウェンディと向き合わなければと、心の中でそう思っていても、何も出来ないまま時が過ぎていく。
夫婦らしい会話をしたことなんて一度もなかった。
ウィンディは、普通ならば絶対に嫌厭する姿を見ても平然としていた。
素手で自分よりも大きな動物を倒して持ち帰ったとしてもウェンディは倒れはしたものの、逃げ出したりしなかった。
(何で……?)
それが不思議で、嬉しくて仕方がない反面で、誰にも受け入れられない現実を知ることが怖かった。