姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~


「ゼルナ様、おはようございます。いい朝ですね」

「………っ」


ゼルナはブルを抱きしめながら首を縦に振り、何度も頷いていた。
先程まではあんなにも暗く落ちていた気持ちが、一瞬で晴れやかになった。

その日をキッカケに、ゼルナは毎朝、必ず席についているようになった。


「お、おはよう……ウェンディ」

「おはようございます、ゼルナ様」

「今日は……晴れる、みたい」

「そうなんですね!溜まった洗濯物が乾きそうで嬉しいです」

「…………う、うん、そうだね!」


それに加えて、必ず自分から挨拶をしてくれるようになった。
会話も少しずつではあるが続くようになっていった。

その一週間後には毎日夕食を一緒に食べるようになった。

それから部屋の掃除をしているとブルの散歩に誘われて庭を一緒に歩いた。
体をカチコチにして同じ手足が出ていたゼルナを見て思わず吹き出したのをキッカケに、彼は普通に歩き出した。

毎日ブルの散歩を一緒に行くようになると、動物達の紹介や名前を教えてもらった。
最初は覚えきれなかったが、ゼルナと共に過ごす内に自然と覚える事が出来た。


「ウェンディ、今日も一緒に散歩に行かない……かな?」

「これが終わったらすぐに……」

「…………なら、早く終わるように僕も手伝うよ」

「……!」
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