若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
スタッフのお勧めは、ビスチェタイプ、それも胸のラインがハートにカットされている。

胸の膨らみがくっきりと出て、かなりセクシーな印象だ。ボトムがパンツだから、そのくらい女性的でもバランスが取れるとスタッフは言うのだが。

「これはやめてくれ」

慶がいまだかつてないほど険しい顔でNGを出す。

「露出はさせたくない。肩も……なるべく出さない方向で。首回りが重いというのなら、せめてボートネックで」

そういえば慶が選んだドレスは、首もとが隠れているものばかりだった。ラウンドネックやホルターネック、あるいは、レースで肩回りが覆われていたりだとか。こだわりだろうか。

「あ。レースのVネックなんか綺麗じゃない?」

美夕が口を出すと、鋭い目つきで睨まれた。

「やめてくれ。胸の谷間が見える」

きょとんと美夕は目を瞬く。

まさか、妻の胸の谷間をほかの男に見せたくないと……?

いや慶に限ってそんな小さいことを言うとは思えない。きっと肌を露出すると子どもっぽく見えるからとか、そういう理由だろう。

「では、レースで目隠しをしながら、軽さも出していきましょう。そうすると、ラッフルもレースで作った方がよろしいかと――」

ここまで細かい注文に応えるデザイナーは大変だなと、美夕は尊敬の目を向ける。

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