若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
慶は淡々と試着を進めていく。ブラック、グレーの定番フォーマルスーツから、柔らかくて華のあるイタリアンスーツ、かっちりとして紳士的なブリティッシュスーツまで、どれも似合っていて、美夕は口出しのしようがない。

「男性のスーツって、どれも同じに見えていたけれど、こんなにも種類があるのね」

「で、どれが似合うんだ」

「全部似合ってるわ」

美夕の率直な感想に、慶がげんなりとした顔をする。

「お前、戦力になっていないぞ」

もともと慶はモデルのような高身長に長い手脚、すっと伸びた背筋、どんな服も映える美形の見本のような顔立ちをしているのだから、似合わないスーツを探す方が難しい。

「試着したもの、全部素敵だから、安心して選んでもらっていいわ」

「なら、お前のドレスに色合いが合うものを選ぶ」

結局美夕はちょこんとソファに座ってケーキを食べているだけ。

慶を自分好みに仕立てあげるという概念は間違いで、慶はすでに自分好みに仕立て上がっているんだわと美夕は実感した。

ようやくドレス選びが終わったかと思えば、今度は違うスタッフが部屋を訪れる。

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