若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「まだなにかあるの?」

「次は、懇意にしている宝石商だ」

「ほ、宝石商!?」

「加工済みのものもあれば、加工前のルースの状態で買いつけることもできる」

宝石までオーダーメイドなのかと美夕は眩暈を覚える。

小さい頃、美夕が見せてもらった通り、北菱家は高価なジュエリーをたくさん所蔵しているから、慶のこだわりも強そうだ。

「ドレスに合わせてジュエリーを選ぶだろう?」

「そんな当然のように言われても」

どんなドレスにでも合う汎用的なジュエリーを選ぶのが正しいと思って生きてきた美夕にとって、目から鱗の理論だ。

慶はすでにジュエリーに仕立て上がっているダイヤや真珠、サファイアなどのネックレスやピアスを数点購入した。

「奥様によくお似合いです。こちらはパーティー用でございますか?」

あまりにもたくさん買うものだから、宝石商もにこにこ顔だ。

「ああ。妻は公の場が初めてだから、私の方が張り切ってしまっている。最高のもので飾ってやりたい」

「北菱様は愛妻家でらっしゃいますね」

美夕は横で会話を聞きながら、拳をきゅっと握る。

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