若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
(慶が愛妻家……)

ふたりで暮らし始めるまで、慶を夫として考えたことなど一度たりともなかった。

しかし、ここ数日は、一緒に食事をしたり、眠る前のささやかなひとときをともに過ごしたり――。

(まるで本当に、私のことを大切にしてくれているかのように……)

慶の言動ひとつひとつを振り返るたびに、胸がざわついてくる。

美夕のことを細やかに気遣い、よく笑みを浮かべ、よくからかい、愛情を持って接してくれているのだと、否が応でも気づいてしまった。

慶は最後にエメラルドを見せてほしいと頼む。

「あのオーダーメイドのドレスには、エメラルドが映えそうだ」

先ほどふたりでオーダーしたシルクタフタのパンツドレス。確かにミントカラーにはエメラルドがよく映えそうだ。

「エメラルドといえば、北菱家に立派なネックレスがありましたよね」

子どもの頃の記憶を辿って口にすると。

「……お前は結構大胆なことを言うな。五億のエメラルドネックレスをつけたいなんて」

五億!?と美夕は仰天する。というか、言っていない。つけたいなどとは、決して。

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