若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
四時間にもわたる長い買い物を終えて、ふたりはそれぞれ別のソファにもたれかかり、ふうっと大きく息をついた。

身も心も疲れ果て、美夕はころんと体を横たえる。

「疲れたなら、寝室で休むといい。泊まっていくか?」

「チェックアウトは何時?」

「決まっていない」

「アバウトなのね……」

きっと一般客がするような時間清算とはまた違うのだろう。慶にとってなにが大事でなにが当たり前なのか、美夕にはさっぱりわからない。

「このホテルには世話になっている。たまに泊まってやらねば」

「そうやってあなたは、経済を回しているの?」

「もったいないとでもいいたいのか?」

慶が立ち上がり、美夕のそばまでやってくる。美夕の頭のすぐ隣に腰を下ろし、穏やかな表情で見下ろす。

「違うわ。私にはよくわからないことばかりだもの。口出しなんてできない」

あきらめたように目を閉じると、ふいに頭を優しく撫でられた。

ゆっくりと目を開けると慶の大きな手が美夕の額に乗っていて、その奥には感情の読み取れない、真っ直ぐな瞳があった。

「いじけるな」

「いじけてなんかないわ」

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