若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
出席者名簿を見た美夕は、あまりに豪華な面々に関わりたくないとすら思った。

しかし、慶はパーティーの主役。妻として表に立つ覚悟をした美夕には、避けて通れない道だ。

美夕は、慶に見立ててもらったミントカラーのパンツスーツに、北菱家家宝のエメラルドネックレスを合わせて出席した。

(気が気じゃない)

とくに胸もとの五億円が。保険はかけてあると言われているが、こんなある種の爆弾を身につけて一日過ごさなければならないのは、正直つらい。

だが、このエメラルドが美夕を助けてくれると慶は言う。会話の糸口にもなるし、美夕を印象づける手助けにもなると。

そして、凛としたパンツスーツは、美夕に自信を与えてくれた。

上質な衣服は、見た目以上に気持ちを押し上げてくれる。慶の妻として胸を張って招待客たちに挨拶できそうだ。

慶はフォーマルなブラックのスーツを着ており、いつも以上の威厳と貫禄。厳しい眼差しは猛々しく、強く揺るがない男をイメージさせる。

「美夕。今日はよろしく頼む」

「こちらこそ。よろしく。……フォロー、お願いします」

きっと慣れない空間に放り込まれ、戸惑うだろうと自覚していた。

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