若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
当の美夕は、やはりスケスケ下着の指示は、父親ではなく使用人の独断だったのかと、六年越しの真実に胸を撫で下ろしている。

「本当に申し訳ない。これからも慶をよろしく頼むよ」

気になるなら使用人頭を解雇するけど? と尋ねられ、いえいえ結構ですと首を横に振った美夕だ。そこまでしてもらわなくても充分だ。

「いつか北菱家に戻ってきてね」

「一度食事に来るといい。いつでも歓迎するよ」

ふたりから優しい言葉をかけられ、ご両親との付き合いが少しだけ気楽に感じられるようになった。



パーティーが始まり、前代表である父親の挨拶、そして慶の紹介へと進行し、美夕は舞台袖でとくとくと鼓動を鳴らしながらその様子を見守っていた。

慶は大勢の前に立っても動じず、毅然としている。美夕の前ともまた違う顔をしていた。

今の慶を見ていると、美夕への態度がどれだけ甘く、気遣ってくれているかがわかる。

北菱グループの代表として立つ慶は、力強く頼もしく、それでいて麗しく気品に満ちていて、これぞまさに『金融王』というふたつ名が相応しい人物だった。

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