若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「そのエメラルドのネックレスもとても素敵。そういえば、もう十年以上も前になるけれど、北菱家のパーティーで見事なルビーのネックレスを見せてもらったことがあったわね。かわいらしい女の子が着けてらしたのを覚えているわ」

「そのときの女の子が彼女ですよ、木崎夫人」

慶の言葉に、木崎夫人は「まあ」と驚いて飛び上がる。

「大きくなったわねえ!」

まさかあのときの社交がこんなところで生きてくるとは。美夕も驚きながら「覚えていてくださって、ありがとうございます」と応じる。

夫人同士がおしゃれ談義を交わしている間に、慶と木崎会長も経済の話に花を咲かせる。

「期待しているよ。今後、日本経済は国外機関との連携がさらに重要になってくる。その点、北菱グループは世界で活動しているし、国際経験が豊富な北菱くんは適任と言える。君はまだ若いが、それが強みでもある」

木崎会長は慶の肩に手をかけ、小声でささやく。なんと声をかけているのか、美夕の耳にかろうじて届いた。

「ぜひ、後任に押させてもらうよ。古い連中はなんやかんや言うかも知れんがね。君に期待している人間も多い」

「ありがとうございます」

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