若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
美夕は私立のエスカレーター式お嬢様学校の出身だ。

美夕自身も不動産会社社長の娘だが、江怜奈の方は大物議員の娘で、代々政治に携わる由緒正しき家の生まれなのだとか。

江怜奈は同学校で大学まで進学し、美夕は経営学の分野で名の知れた外部の大学を受験した。

その後、美夕の父親が逮捕される事件が起こり、同窓生とは縁のない生活を送ってきたのだが――。

「こんなところで会えるなんて偶然だわ! あなたのお父様が逮捕されて、もう二度と会えないんじゃないかって思ってから」

江怜奈の大きな声に周囲がざわつく。

あくまでにっこりと、屈託のない表情で話しかけてくるが、美夕を蔑もうとあえてやっているに違いなかった。

他人を貶めることで自身の権力を振りかざす。江怜奈は子どもの頃からそういうタイプの人間だった。

特に、美夕のことは成り上がり一家だと毛嫌いしており、幾度が悪口を浴びせられたことがある。

「それにしても、父親が犯罪者でも社交場に出入りできるのね。いったい誰の同伴で来ているの?」

< 153 / 254 >

この作品をシェア

pagetop