若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
慶は自分の親と歳の近い大物議員に対しても動じることなく、毅然とした態度で接している。
「犯罪者の子というだけで、充分傷物だ」
「彼女の父親は、法の裁きを受けきちんと罪を償っています。やましいことなどありません」
ふたりは冷静な口調のまま、静かに火花を散らす。
「なにより、彼女の父親がどれだけ正義感が強く、清廉潔白な人物であるか、あなたが一番よくご存じではありませんか」
慶の問いかけに美夕は眉をひそめた。
父親が勅使河原議員と親しかったという話は聞いていない。
いや、それどころか、議員は父親を嫌っていたのではないか。
小学生の江怜奈が美夕を「成り上がり」と罵ったとき、当時の美夕にはその言葉の意味がわからなかった。父親に報告し、初めて侮辱されたのだと知ったのだ。
同様に、小学生の江怜奈が美夕を見て「成り上がり」と思ったとは考えにくい。きっと父親が常日頃から花柳家の悪口を口にして、子どもである江怜奈に刷り込んだのだろう。
「北菱君。少し場所を変えないか」
勅使河原議員はそう言って、目線を会場の外に向けた。慶は「ええ。こちらに」と誰もいない部屋へ案内する。
「犯罪者の子というだけで、充分傷物だ」
「彼女の父親は、法の裁きを受けきちんと罪を償っています。やましいことなどありません」
ふたりは冷静な口調のまま、静かに火花を散らす。
「なにより、彼女の父親がどれだけ正義感が強く、清廉潔白な人物であるか、あなたが一番よくご存じではありませんか」
慶の問いかけに美夕は眉をひそめた。
父親が勅使河原議員と親しかったという話は聞いていない。
いや、それどころか、議員は父親を嫌っていたのではないか。
小学生の江怜奈が美夕を「成り上がり」と罵ったとき、当時の美夕にはその言葉の意味がわからなかった。父親に報告し、初めて侮辱されたのだと知ったのだ。
同様に、小学生の江怜奈が美夕を見て「成り上がり」と思ったとは考えにくい。きっと父親が常日頃から花柳家の悪口を口にして、子どもである江怜奈に刷り込んだのだろう。
「北菱君。少し場所を変えないか」
勅使河原議員はそう言って、目線を会場の外に向けた。慶は「ええ。こちらに」と誰もいない部屋へ案内する。