若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
嘘偽りのない目で見つめ返され、その言葉が慰めやお世辞などではないと理解する。肩が軽くなり、頬がふっと綻んだ。

だが、慶がそう思ってくれていたとしても、美夕を犯罪者の娘だと捉える人間も多いだろう。議員や江怜奈、そして――

「慶のご両親は、どう思っているのかしら……」

先ほど顔を合わせたときは、なにも気にしていない様子だった。

しかし、美夕が嫁いだ当時――息子の義理の父親となった男が逮捕されたと聞いたときは、平静でいられなかったのではないか。

「父の逮捕と結婚のタイミングが逆だったなら、きっと結婚に反対していたわよね」

ぽつりとこぼすと、慶は美夕の両肩をしっかりと掴んで覗き込んだ。

「俺たちが籍を入れるときにはすでに、先生は逮捕されるとわかっていた。うちの両親も、先生自身もそのことを知っていた」

「え……!?」

初めて聞く話に耳を疑う。つまり慶も、慶の両親も、美夕の父が逮捕されると知った上で嫁ぐのを認めたということだろうか。

「父は、自分が捕まることを知っていたんですか? その上で私を嫁に出そうと……?」

「ああ。俺も手は尽くしたんだが、先生の無実を証明することはできなかった」

「慶も無実だと思ってくれているの?」
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