若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「当然だ。先生は金に目が眩むような人ではない」

迷いなく言い切る慶の言葉は、美夕にとっては救いだった。

自分の他にも、父の無実を信じてくれる人がいた。それが夫であったことに、美夕は胸が熱くなる。

「先生は自分の運命を受け入れていた。だが、お前のことだけはひどく心配していた」

美夕はきゅっと唇を引き結ぶ。

箱入り娘でなにもできなかった子どもの頃の自分を思い出すと、悔しくなる。心配するのも当然だ。

現に父が逮捕されたとき、美夕は絶望し食事も喉を通らなくなった。

慶が奮い立たせてくれなければ、心労で倒れた母と同じく、病院行きになっていただろう。

「先生が不在の間、美夕を任せてほしいと名乗り出た。先生が俺を導いてくれたように、俺がお前を支えてやれたらと思った」

そんな思いを抱えながら自分を見守ってくれていたのだと知り、美夕は目頭が熱くなった。

不意に慶の手が降ってきて、美夕の頭に優しく触れる。

「できれば刑期が終わる前に、先生の無罪を証明したかったんだが。俺が不甲斐ないばかりにすまない」

無罪の証拠を探してくれていた、それだけで胸がいっぱいだ。

しかし、同時に別の疑問が湧き上がってきた。

「どうしてそこまでしてくれるの?」

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