若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
慶と花柳の付き合いはそこそこ長い。初めて出会ったのは慶が小学生の頃。花柳はまだ社長に就任していなかった。

花柳と大学の同窓だった慶の父親は、経営の腕と人柄を見込み、週末の短い時間でかまわないから息子の家庭教師をしてくれないかと頼んだ。

北菱家に恩を売って損はないと、軽い気持ちで引き受けた花柳だったが、人に教えるという仕事は意外に面白く、家庭教師にとどまらず大学の客員教授まで引き受けてしまったくらいだ。

もちろん、これも自社の発展を願っての顔売りであるが。

そして、慶は花柳にすっかり懐き、小、中、高在学中に帝王学、経営学、経済学、株価チャートの読み方からときには女性の口説き方まで幅広く教わった。

慶が受験した大学は、日本有数の名門校だが、どちらかといえば花柳の講義を受けたかったから入学したに近い。

「先生の息子になれるのなら、それはそれで楽しそうですけど」

「だろう? 美夕はきっと美人になるよ。妻似だから」

「親バカですか。いや、嫁バカか……?」

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