若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
感覚がぐいぐいと引き寄せられ、持っていかれる。

慶の指先が肌を爪弾き、淡い官能に心を奪われた。

いつの間にか、目の前にある熱っぽい瞳から目を逸らせない。

「ん、慶……うれしい」

触れられると安心する。愛され慣れていない美夕だが、ようやく夫婦である実感が湧いてきた。



翌日、六年目にして初のデート。

この日の美夕は、フォーマルにも使えるブラックのカクテルドレスを着た。繊細なレースがあしらわれ、凝った作りになっている。

露出は少なく、首もとが隠れていて丈も膝下、上品できちんとした印象だ。

一見遊びがなさそうに見えるが、シャンパンゴールドのパンプスとクラッチバッグがいいアクセントになっていた。

ダイヤのシンプルなピアスも煌びやかだけれど落ち着いていて、美夕はとても気に入っている。

「すごくいい席だったわね」

慶が用意してくれたのは、二階の最前列。関係者が座る席で、チケットは一般に出回っていない。

一階の最前列は迫力こそあるが、音のバランスで考えると二階の前列が特等席なのだとか。

「気に入ってもらえてよかった」

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