若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
慶もフォーマルなスーツで着飾っている。知的なのにサイドに分けた髪が色っぽくて、見ているこちらがドキドキしてしまう。

「あんな豪華な席、こっちが緊張しちゃった。ひとつひとつの楽器の音がとてもよく聞こえたし」

「クラシックを聴く才能があるのかもしれないな」

ふたりはコンサートホールの近くにある高級フレンチレストランに向かう。

こちらも、美夕が経験したことのないレベルの高級店。

一応、美夕も社長令嬢で、それなりに質の高い生活をしてきたけれど、ここまで行き届いた店は初めてだった。

お城のような内装に、スタッフの動きもエレガントで無駄がない。

カトラリーひとつひとつが美術品のように美しい。

そして料理は食材もシェフも最高級。ぴんと伸ばした姿勢を緩める隙が見つからない。

「大丈夫か。あまり緊張するな。ゆっくりするために貸し切りにしてもらったんだから」

広々としたフロアにふたりだけ。人が少ないなあと思っていた美夕だが、貸し切りと聞かされ驚いた。

「大丈夫。学生のときにマナーはひと通り習ったの。お嬢様学校に通っていてよかったって、今日初めて思ったわ」

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