若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
その日、慶が帰宅したのは二十二時すぎ。

ゆっくりと話ができるように、慶がシャワーを浴び終えるまでリビングで待つことにした。

会社から持ち帰った仕事をしながら待とうとするが、集中できない。

仕事をこなすのをあきらめたとき、ようやく慶がバスルームから戻ってきた。

「慶……」

「美夕? どうした」

濡れた髪をタオルで拭きながら、慶がソファにやってくる。美夕はごくり息を呑み、疑念を口にした。

「慶は、父が誰に冤罪を着せられたのか、知っているの?」

慶は驚いた顔をして、髪を拭く手を止める。

「急にどうしたんだ」

「……パーティーの日、勅使河原議員にかけた言葉が気になって」

江怜奈に警告されたことは言わなかった。

知れば、きっと慶は激しく憤る。「お前はなにも心配しなくていい」と主導権を取り上げられてしまうのが嫌だった。

「議員に歯向かって、検察に目をつけられた人って、父のことよね?」

慶が嘆息する。タオルを首にかけたまま、沈痛な面持ちで手脚を組んだ。

「ああ。勅使河原議員が検察官のコネクションを使って、捜査の矛先を先生に向けた。証拠の捏造にも加担しているようだが、その証拠が掴めていない」

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