若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
翌日、会社に懐妊の旨を連絡し、産休と育休をもらう方向で調整を進めた。

一方、江怜奈の番号からたびたび電話がかかってきたが、美夕は無視を続けた。

そして一週間が経つ頃。

デスクの内線電話が音を立て、美夕はふうと息をついた。

子機の通話ボタンを押すと「北菱さん、内線二番にお電話です。山田さんとおっしゃる方から――」と総務社員の丁寧なアナウンスが聞こえてきた。

「ありがとうございます」

内線ボタンを押し「北菱です」と応答するが、相手は――無言。

大きなため息をつきながら、子機を置く。

「また無言電話? もう三回目じゃない?」

桃山が怪訝な顔で話しかけてくる。

「いえ。四回目です……」

かぶりを振ると、青谷は「会社にかけてくるところが腹立つよな」と鼻息を荒くした。

「プライベートの電話にかかってくるよりマシじゃない?」

「プライベートなら無視も怒鳴ることもできるけど、会社の電話じゃきちんと出るしかないじゃないですか」

「確かに」

桃山と青谷は難しい顔で腕を組む。美夕もこんなことは初めてで、どう対応したらよいのかわからなかった。

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