若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「傷が癒え退院する頃には、ワールドジャーナルはこの件から手を引くことを決めていました。遺書も存在しなかったことになっていた」
高嶺社長の、柔らかい、どこか悲しげな眼差しが美夕に向く。
「ちょうど今のように、編集部には私宛の無言電話が何度も来た。警告というやつでしょう。北菱さん、君あてに無言電話が続いたとき、過去の記憶が蘇り、私は本当に恐ろしくなったよ。急いでご主人に連絡し、あなたを守るよう伝えた」
不審な男たちに追いかけられたあの日、慶が車で駆けつけられたのは、その連絡のおかげだ。
「遺書は破棄されたことになっている。ですがね、私はとてもあきらめの悪い人間です。あの雪辱を晴らす機会を、ずっと伺っていた。自分の会社を立ち上げ、地盤を固め、公表できる場を作り上げ、七年間も耐え忍んで、ようやく下準備が整った」
高嶺社長が懐から一枚の紙を取り出し、テーブルに広げた。
それは勅使河原議員の悪業が収められた不正の証拠。父たちが託された遺書だった。
「なぜ……それが貴様の手もとに……」
議員が愕然と声を漏らす。
高嶺社長の、柔らかい、どこか悲しげな眼差しが美夕に向く。
「ちょうど今のように、編集部には私宛の無言電話が何度も来た。警告というやつでしょう。北菱さん、君あてに無言電話が続いたとき、過去の記憶が蘇り、私は本当に恐ろしくなったよ。急いでご主人に連絡し、あなたを守るよう伝えた」
不審な男たちに追いかけられたあの日、慶が車で駆けつけられたのは、その連絡のおかげだ。
「遺書は破棄されたことになっている。ですがね、私はとてもあきらめの悪い人間です。あの雪辱を晴らす機会を、ずっと伺っていた。自分の会社を立ち上げ、地盤を固め、公表できる場を作り上げ、七年間も耐え忍んで、ようやく下準備が整った」
高嶺社長が懐から一枚の紙を取り出し、テーブルに広げた。
それは勅使河原議員の悪業が収められた不正の証拠。父たちが託された遺書だった。
「なぜ……それが貴様の手もとに……」
議員が愕然と声を漏らす。