若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
「ようやくお前は一人前の女になった。俺と同じ土俵まで上がってきた、そうだろう?」

慶の言葉に、大きく目を見開く。慶が初めて自分を女だと言ってくれた。同じ土俵に立っているとも。

「一応言っておく。俺はお前と離婚したいとは思っていない」

「そんな……どうして?」

わけがわからず、美夕は首を横に振る。

なぜ慶は自分をずっと手元に置いていたのか。

美夕が犯罪者の娘と認定されたあの日、さっさと離婚して切り捨てることもできたはずなのに、ご丁寧に家を用意して、毎月生活費を仕送りした。記念日には贈り物まで用意して。

それは、同情や、世話になった先生への恩返しだったのだろうか。本当に?

「お前次第だ。せいぜい悩め」

愛情のかけらも感じない、そっけない言葉。その裏側に優しさが隠れているのではないかと、美夕はどうしても期待してしまう。

慶は再び背を向けて、玄関を出ていってしまった。

あれだけ自立できる日を夢見て、必死に頑張ってきたというのに。慶のもとを離れ、ひとりで生きていこうと決めていたのに。

六年分の決意はあっさりと覆され、美夕はどうすればいいのかわからなくなってしまった。



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