若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
シャワーを浴びる前に漬け込んだのだが、フルーツの香りが炭酸水にほどよく溶け込んでおいしい。

ようやく仕事を終えて部屋から出てきた慶が、美夕の手もとを見て「うまそうだな」と呟いた。

「ドライフルーツの炭酸割りです。ご興味あれば、お風呂上がりに飲めるように漬け込んでおきますけど」

「炭酸水より、ワインで割った方がうまそうじゃないか?」

「それ、サングリアですね」

「そっちで頼む」

簡潔に指示して、慶はバスルームに向かう。しかし、美夕はワインセラーの場所こそ知っているものの、どのワインを使えばいいのかわからないことに気づく。

「あのっ、ワインはどれを使えば――」

慌てて追いかけると、開いたバスルームのドアからシャツを脱いで上半身をあらわにした慶と、ばっちり目が合ってしまった。

「ふ、服っ……! というか、ドア! 閉めてから脱いでくださいっ」

「ん? ああ。で、なんだって?」

「ワイン! じゃなくて、まずは服を――」

美夕は慌てて目を覆うが、慶は潔く隠そうとすらしない。

「ああ、ワインか。適当に一本抜き取って使ってくれ」

「適当って……」

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