若き金融王は身ごもり妻に昂る溺愛を貫く【極上四天王シリーズ】
銘柄などを聞く前に、バスルームから締め出されてしまう。

美夕は渋々リビングに戻り、部屋の奥にあるワインセラーの前に立ち尽くす。

ラベルの銘柄を検索しようとしたが、ポルトガル語なのかスペイン語なのか、見たこともない字体が含まれていることに気づいて、調べるのをあきらめた。

この中にはきっとものすごく高級なワインが含まれているに違いない。できれば安物を使いたいところだけれど……。

(というより、金融王のワインセラーに安物のワインが置いてあるわけないじゃない)

下手をしたらすべてとんでもない額の代物だろう。どれを選んでも同じ気もする。

意を決した美夕は、一番上にあった一本を抜き取って、キッチンの引き出しで見つけた栓抜きをコルクに突き刺した。

生まれて初めてのワイン開栓。しかし失敗し、コルクが割れてしまう。

「わ……どうしよう」

なんとか栓を抜いたものの、コルクはズタボロ。もしかしたら、欠片が少々中に入っているかもしれない。

「あー……ごめんなさい」

ものすごく高級なワインだったらどうしよう。

だが、ここまで来たらあとの祭り。美夕はグラスにドライフルーツとワインを投入し、冷蔵庫にイン。

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