スキナダケ
ハナは立ち上がって、勉強机の上に置いていたタブレットを持ってきて操作した。

スタンドに立てて、二人にも見えやすいようにテーブルの中央に置いた。

スクリーンに映し出されてる映像を、二人はまじまじと見て、眉間に皺を寄せた。
二人ともよく似た表情をするからハナは思わず笑いそうになってしまった。

「何、これ…」

「ほら、最近流行ってるじゃん。リモート会議とかオンライン飲み会とかさ。そのソフト使ってるんだよ」

「そうじゃなくて…、ていうか、じゃあ誰が今撮影してるの?」

「用務員さん」

「用務員さん?」

「そう。ハナの学校の用務員さん。お父さんにお願いして買った」

買った、っていうのはそのままの意味だ。
実際に学校で働いてる用務員さんにお金を積んで仕事を依頼した。

事が済んだら更にお金を渡して雲隠れさせるつもりだ。
このおじさんにとっては悪い話じゃない。
現におじさんは二つ返事で引き受けてくれた。

「リアルタイムなの?」

ずっと沈黙してた彼氏がようやく口を開いた。
でも、それ以上は何も言えないみたいだった。

「そうだよ」

「何これ…」

夕海がまた同じことを繰り返す。
理解が及ばなくてもしょうがない。

でもね、夕海。
ハナはハナのままでいいって、それがハナだからって言ってくれたハナの本性が、こういうことなんだよ。

それでもいいんだよね?
ハナの飼い主は夕海だから、言うこと聞いたんだよ。

いい子でしょ?
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