スキナダケ
「さーて…どうしよっかなぁ…」

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいって繰り返してる夕海の体を抱き起こした。

体を強張らせてるのが感じ取れた。
ハナの腕の中で震える夕海を抱き締めるのは初めてだった。

夕海の「初めて」の時でさえ、夕海は震えてなんか無かった。

「何がごめんなさいなの」

「ハナッ…ハナちゃん…裏切ってごめんなさい!!!私が間違ってた!私を一番大事にしてくれるのはハナちゃんなんだよね!?それなのにッ…私がバカだったの!そうだよね!?」

「…さぁ?」

ニッて笑ったら夕海は激しく首を横に振った。

「違う!!!違う違う違う!!!ハナちゃんだよ!ハナちゃんだけだよ本当だよ!!!」

「だってさ。ねぇ、どう思う?夕海はお前との関係は間違ってたんだって」

「夕海…」

「ほら、ちゃんと言ってあげなよ。お前のことなんて好きじゃ無かったって。ちょっと遊んだだけだって」

「夕海、嘘だよね?僕のこと…」

「じゃあさ…」

カチャッて銃のスライドを引いて彼氏を見た。
銃口は向けてないのに後ろ手のまま、ベッドを寄せてる壁ギリギリまで体を寄せた。
たったの数センチから位置は変わらないのに人間の防衛本能って面白い。
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