スキナダケ
「夕海、誘導尋問はダメだよ」

中腰のまま夕海に詰め寄ったら、彼女はぺたんと床にへたり込んだまま、ちょっとずつ壁際に後ずさりしていった。

それを追い込むようにしたら、夕海の体が壁にぶつかって、夕海はギュッと目を閉じて俯いた。

すぐ傍にはドアがある。
逃げられたら困るなって思った。

銃を入れてたのと反対側のポケットからバタフライナイフを取って、刃を夕海に向けた。

「ぃッ…いや…」

「逃げないでね」

コクコク頷く夕海。
やめて、やめてくれってベッドの上から叫ぶ彼氏。

夕海の左手を取った。
指の一本一本にキスをする。

夕海はずっとグズグズと泣き続ける。

「夕海、ハナは、夕海のことが本当に好きだよ」

ズブッとナイフの刃先が骨に当たった感触がした。
夕海の左手の薬指からボタボタと血がこぼれる。

「ァ…アアアッッッ………!!!」
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