キミの恋のはじまりは
……とはいえ、やっぱりまだ躊躇う自分もいる。
「……はぁ…」
思わず大きなため息をつくと、真由ちゃんと葉山さんが心配そうに顔を見合わせた。
「大丈夫?行けそう?」
「……うーん、なんか緊張して吐きそう……」
「莉世ちゃんが出ていけば、いろいろと解決すると思うんだけどねぇ~」
「……はぁ…」
泉に目を向けると、その背中越しに女の子達が見える。
顔を赤くして、一生懸命、泉に何かを伝えようとしている。
それを見れば、胸の真ん中が痛くて仕方がない。
誰かを好きな気持ち、いまは……わかる。
その人のこと考えるだけで幸せで、溶けそうで、ふわふわする。
目が合うだけで、どきどきして。
笑った顔も、困った顔も、拗ねた顔も……どんな表情も全部見ていたい。
誰にも渡したくなくて、自分だけのものにしたくて……。
切なくなる。苦しくなる。醜い自分が生まれて目を背けたくなる。
でも、その度に、泉は私をつかまえて抱きしめてくれた。
その熱い腕の中は、私だけの居場所であってほしい。これからもずっと。
―――――― 独り占めしたいし、……されたい。
怯んで潰れてしまいそうな気持ちを奮い立たせ、一歩踏み出した。