キミの恋のはじまりは
「…ちょっ、ま、っ」
驚いて目をぱちくりさせると、重なった唇の向こうに不敵な笑みがみえた。
泉は唇をほんとに食べるかのように、何度もはむはむと挟む。
その間を縫うように、優しい小さな音を鳴らしながら熱を重ねてくる。
繰り返しされると、体の力が抜けて瞼が落ちて心地よさに震えた。
そんな自分が恥ずかしくて、体制を立て直そうと腰を引けば、泉の力強い腕に押さえ込まれて、さらにその胸の中に身を寄せることになってしまった。
完全に捕まってしまった私の唇、頬、耳、瞼に泉のキスが落ちてくる。
もう頭に酸素が行き渡らなくなって、とろりと体の中心から溶けていくような感覚。
ふわふわと思考が散らばって、泉の柔い感触に全神経が集中していく。
くらくら、する…。
気づかないうちに、熱い吐息がこぼれる。
体の中に沈んでいた知らない何かが、全身を駆け巡っていく。