キミの恋のはじまりは
「ちがっ、」



会話の食い違いを正そうと思うのに。

泉は舌を出してぺろっと私の唇を舐めて、そのまま首筋に擦り寄る。

言葉のない空の吐息だけが漏れ、びくびくっとわかりやすく反応した私を、泉はさらに蕩けさせる。



「も、むり…っ、」



フォンダン…もはやガトー…もうなんでもいいっ、けど。

いやいや、よくないんだけどっ…。

とにかく、持っていられない、落ちちゃう…っ。



腕の力が抜けてカタッと傾きかけたお皿を、唇を僅かに離した泉がさらりと取り上げた。

そうして、近くのローテーブルにそっと置いて、私に視線を向けて甘ったるい笑みを浮かべる。


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