キミの恋のはじまりは
……よ、余裕そうじゃない!?


息が上がって、真っ赤になっている私に比べ、泉は平静そのもの。


……というよりは、なんか楽しそう!?

うきうきしてる感じさえする!?


泉はその腕の中に倒れ込んでいる私を「りーせ」なんて浮かれた声音で呼んで、きゅっと抱きしめてくる。



な、なんか悔しいですけど!

私ばっかり恥ずかしいですけど!!

もうなんかすっごく、どきどきしちゃってますけど!!!


でも、両手が空けば、この体制から抜け出せる……!


目の前にある泉の胸をぐっと押して、このいたたまれない状況から逃げだそうとした。


だけど。



「だーめ」



うなじをなでるように滑った泉の手が、髪をかき分け後頭部に回ると、また熱を移された。


繰り返しもたらされる柔らかさに、体も心も震えた。

頬を擽る泉の髪、背中を這う大きな手のひら、耳を掠る熱い吐息。

何度も解されれば、どうしようもなく溶かされてしまう。


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