キミの恋のはじまりは
ねむいなぁ……。家に帰ろうかなぁ。泉の邪魔しちゃいけないし。でも、なんか目が上手く開かないなぁ。
重くなった身体を動かせずにいれば、どんどん眠気が深くなっていく。
立てた膝頭に首を倒して頬を乗せて、身をきゅっと縮こませる。
……小学生の時は、こんなふうに泉の部屋でよく時間潰してたなぁ。
あの頃は潤くんも一緒で……。でも今はもういない。
……幼馴染って不便だなぁ。
引き止める術が、ない……。
ふわっと肩に何かが落ちてきたような感覚があったから、すでに閉じていた目をうっすらと開けば、目の前に片膝をついた泉がいた。
……泉はまだいてくれるんだ。
鼻の奥がつんっとした。