義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます<第一部>
 殿下がすっと手を伸ばして片方の手で私の手を握り、もう片方の手を私の腰に回した。
「殿下っ!」
 リードルの焦った声。
「ちょっと、お兄様、どういうこと?」
 エリエッタがリードルに詰め寄っている。
 そう、本当にどういうことなのっ!
 きょとんとして皇太子にエスコートされてダンスフロアに連れて行かれる私に殿下がにこやかに笑いました。

「あれ?ファーストダンス知らない?一番初めにダンスを踊る人が決まっていて、例えば王宮主催の舞踏会であれば、王族。結婚披露や誕生日パーティーなどなら主役」
 知ってますよ。社交界デビューとかしてなくても常識として。
 1曲ファーストダンスを踊るべき人が踊ってからその他の人は踊るんですよね。
 ……あ。
「皇太子殿下は、王族なのでファーストダンスを踊らなければならないのですね!」
「そう。婚約者がいれば婚約者と踊るんだけどね。俺にはいないから、まぁ、女性で婚約者がいな人間の中で一番位が高い人間と踊ることになってる」
 音楽が始まり、殿下と向かい合って手を取る。
「も、もしかして、それ……」
「そう。去年まではレーゼレーラだったんだけどね。レーゼレーラのところに行ったら、今年から一番はリアちゃんだって言うじゃない?」
 にこにこと笑っているけれど、その目の奥は私を値踏みするように鋭い。
 流れるようなステップで殿下がダンスを踊り出す。
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