純愛カタルシス💞純愛クライシス
♡♡♡
「美羽姉、行ってらっしゃい❤」
天使の翼を嬉しそうに羽ばたかせた、めちゃくちゃ元気な学くんに見送られた私は、気だるい体を引きずりながら、腰を擦りつつ会社に出勤した。
(仲直り諸々含んだエッチとはいえ、休憩なしにぶっ通しというのは、学くんにちょっと考えてもらわないと、私の体がもたない……)
回数を重ねる毎に余裕が出てきたのか、学くんはまごつくことなく行為をし、絶頂したと思ったら、どこからともなくゴムを取り出して手際よく着脱し、またはじまるを繰り返すため、まったく休憩がなかった。
『美羽大好き』『美羽かわいい』などなど、待ったを入れようとしたタイミングであれこれ告げられるため、なおさら始末に負えない。
「おはようございます……」
学くんのことに困惑しながら部署に顔を出すと、そこにいた全員が私の顔を一斉に見る。
(――ちょっとなに? 突き刺すような視線ばかりのような気がする)
あまりの雰囲気の悪さに足を止めて、その場に立ち止まると、深刻そうに眉根を寄せた高木さんがやって来た。
「小野寺ちゃん、おはよ。朝からトラブル発生でさ。堀田課長の奥さんが来てる。小野寺ちゃんが名指しされてるよ」
「堀田課長の奥さん?」
昨日のことを、私が騒ぐならわかる。なぜ堀田課長の奥さんが会社に乗り込んできて、騒ぎを起こすことをしているのか。そしてこんなに大騒ぎになっているのに、堀田課長はどこにいるのやら――。
「貴女が小野寺さん?」
高木さんの背後から、小柄な女性が顔を覗かせた。160センチの私より背の低い女性が、睨みをきかせて低い声で呼びかける。かわいいというよりも、清楚で綺麗な感じの女性だった。
「はい、そうです」
言いながら周囲を見渡したら、ひそひそ話と一緒に、好奇な視線を注がれる。朝っぱらから、なにをどうしたら、こういうことになるのやら。
(これって、アレか。正妻VS愛人ということで、堀田課長の取り合いをしてるような状況ってこと?)
思いっきりめんどうなことに自動的に巻き込まれ、心の底からうんざりする。後悔してもあとの祭り。堀田課長の愚痴に、最初から付き合わなきゃよかった話なんだから。
「済まないね、小野寺さん。ちょっと話を聞かせてもらえるかな?」
田所部長が堀田課長の奥さんと私の間に入り込み、蛍光灯で光る頭を撫でながら愛想笑いを浮かべた。
「田所部長とお話する前に、奥様に聞きたいことがあります」
「なにかしら?」
胸の前に腕を組み、気だるそうに答えた奥さんに向かって、真摯に問いかけた。
「堀田課長とうまくいっていない話を、私は相談されていました。実際のところは、どうだったのでしょうか?」
「うまくいってないですって!? 貴女、なに作り話してんのよ! 私たちは誰がどう見ても円満よ」
金切り声で喚かれても、それが本当かどうかもわからない。当の本人がいないわけだし、証明しようがない。
「円満ですか、なるほど。では、これを聞いてください」
カバンからボイスレコーダーを取り出し、一番最初の部分を再生した。
『恥ずかしい話なんだけど昨日の夜、妻に迫ったら断られちゃってね。『アンタと結婚したのは、お金が目当てだったの。下手くそなくせに、手を出してこないでよ』なんて言われてしまってさ。僕を好きで結婚してくれたんじゃなかったことが、思った以上にショックだったんだ』
「なっ、なによこれ! あの人がこんなことを言うなんて。まったくのでたらめだわ!」
堀田課長の奥さんが顔色を変えて、瞳に涙を滲ませる。かわいそうだと思いつつも、確かめなければならないことがあるので、続きを聞かせた。
『妻が僕に気がないのに、このまま結婚生活を続けていくのが、どうにもつらくなって。それで小野寺さんに、相談してみようと思ったんだけど……』
ここで停止ボタンを押して、田所部長を見ながら訊ねる。
「これがそのとき相談されたことになります。田所部長、証拠になりませんか?」
「美羽姉、行ってらっしゃい❤」
天使の翼を嬉しそうに羽ばたかせた、めちゃくちゃ元気な学くんに見送られた私は、気だるい体を引きずりながら、腰を擦りつつ会社に出勤した。
(仲直り諸々含んだエッチとはいえ、休憩なしにぶっ通しというのは、学くんにちょっと考えてもらわないと、私の体がもたない……)
回数を重ねる毎に余裕が出てきたのか、学くんはまごつくことなく行為をし、絶頂したと思ったら、どこからともなくゴムを取り出して手際よく着脱し、またはじまるを繰り返すため、まったく休憩がなかった。
『美羽大好き』『美羽かわいい』などなど、待ったを入れようとしたタイミングであれこれ告げられるため、なおさら始末に負えない。
「おはようございます……」
学くんのことに困惑しながら部署に顔を出すと、そこにいた全員が私の顔を一斉に見る。
(――ちょっとなに? 突き刺すような視線ばかりのような気がする)
あまりの雰囲気の悪さに足を止めて、その場に立ち止まると、深刻そうに眉根を寄せた高木さんがやって来た。
「小野寺ちゃん、おはよ。朝からトラブル発生でさ。堀田課長の奥さんが来てる。小野寺ちゃんが名指しされてるよ」
「堀田課長の奥さん?」
昨日のことを、私が騒ぐならわかる。なぜ堀田課長の奥さんが会社に乗り込んできて、騒ぎを起こすことをしているのか。そしてこんなに大騒ぎになっているのに、堀田課長はどこにいるのやら――。
「貴女が小野寺さん?」
高木さんの背後から、小柄な女性が顔を覗かせた。160センチの私より背の低い女性が、睨みをきかせて低い声で呼びかける。かわいいというよりも、清楚で綺麗な感じの女性だった。
「はい、そうです」
言いながら周囲を見渡したら、ひそひそ話と一緒に、好奇な視線を注がれる。朝っぱらから、なにをどうしたら、こういうことになるのやら。
(これって、アレか。正妻VS愛人ということで、堀田課長の取り合いをしてるような状況ってこと?)
思いっきりめんどうなことに自動的に巻き込まれ、心の底からうんざりする。後悔してもあとの祭り。堀田課長の愚痴に、最初から付き合わなきゃよかった話なんだから。
「済まないね、小野寺さん。ちょっと話を聞かせてもらえるかな?」
田所部長が堀田課長の奥さんと私の間に入り込み、蛍光灯で光る頭を撫でながら愛想笑いを浮かべた。
「田所部長とお話する前に、奥様に聞きたいことがあります」
「なにかしら?」
胸の前に腕を組み、気だるそうに答えた奥さんに向かって、真摯に問いかけた。
「堀田課長とうまくいっていない話を、私は相談されていました。実際のところは、どうだったのでしょうか?」
「うまくいってないですって!? 貴女、なに作り話してんのよ! 私たちは誰がどう見ても円満よ」
金切り声で喚かれても、それが本当かどうかもわからない。当の本人がいないわけだし、証明しようがない。
「円満ですか、なるほど。では、これを聞いてください」
カバンからボイスレコーダーを取り出し、一番最初の部分を再生した。
『恥ずかしい話なんだけど昨日の夜、妻に迫ったら断られちゃってね。『アンタと結婚したのは、お金が目当てだったの。下手くそなくせに、手を出してこないでよ』なんて言われてしまってさ。僕を好きで結婚してくれたんじゃなかったことが、思った以上にショックだったんだ』
「なっ、なによこれ! あの人がこんなことを言うなんて。まったくのでたらめだわ!」
堀田課長の奥さんが顔色を変えて、瞳に涙を滲ませる。かわいそうだと思いつつも、確かめなければならないことがあるので、続きを聞かせた。
『妻が僕に気がないのに、このまま結婚生活を続けていくのが、どうにもつらくなって。それで小野寺さんに、相談してみようと思ったんだけど……』
ここで停止ボタンを押して、田所部長を見ながら訊ねる。
「これがそのとき相談されたことになります。田所部長、証拠になりませんか?」