秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「支店長ったら、ほんと調子いいのよね。服部トレーディングとの提携話をしたら、すぐに融資を増やしたいって言い出したのよ」

テイクアウトしたランチを食べながら、桜が呆れ顔で言った。

「まぁそう言うなって。融資が増えたら、桜がやりたかったフェアトレードの取り扱いが増やせるじゃないか」

「そうだけど・・なんか全部、直生のお手柄みたいで面白くないんだもの」

「今回だけだよ。これまでの土台を守ったのは桜だし、これからを作り上げていくのも桜だろ?」

桜は箸を置いて、窓の外に目を向ける。

「父が急に亡くなって、本当はどうしたらいいかなんて分からなかった。
でも、いつも直生がいてくれたから、なんとかここまでやってこれた・・」

感謝してます、と桜は微笑んだ。

「桜」

「なに?」

「俺のこと、いつから好きだった?」

「え? うーん、いつかなぁ・・急に言われても」

「俺は・・桜が社長になる前から、ずっと好きだったよ」

ランチを食べながらサラッと言った俺に、桜は苦笑いした。

「会社のランチタイムに、そんな甘いこと言わないでよ」

「言いたくなったんだからしょうがない。なんならキスだってしても・・」

仕事にならなくなるからダメ!と、桜は慌てて両手で口を塞ぎ、俺はその手の甲にキスをした。

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