秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「へぇ・・親父にそんなことがあったのか。
でも、それがさっきの『桜ちゃん』とどう繋がるんだ?」

「娘さんなんだよ、その友人のね」


俺は元々、前社長から親父とのことはだいたい聞いていたから、驚くこともなく黙っていた。


「え、じゃあ、その桜ちゃんが直生の上司っていうのは・・」

「少し前にな・・友人が亡くなったんだよ。それで、会社を桜ちゃんが継いだんだ。
ただ、その友人が・・山脇が初めて会った時から心配していてね。ひとり娘だから、俺がいなくなったらいろいろ心配だと」

「なるほど・・それで、親父の代わりに直生を山脇さんのところに?」

「それもある。でも、俺も懸念していたんだ。お前たちふたりが会社にいたら、時代が変わったとはいえ、俺や弟と同じような思いをするんじゃないか・・って」


ふぅ、と兄貴がため息をついた。


「ありがとう・・・・親父、直生」

「えっ? どうしたんだよ急に」


突然感謝の言葉を口にした兄貴に、俺は戸惑った。


「確かに、直生がいつも近くにいたら、心強くもあっただろうけど、面白くない時だってあったと思うから」

「兄貴・・」

「兄弟って、そんなもんだろ? ガキの頃からな」


そう言った兄貴に、親父がうんうんと頷いていた。
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