秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「それで? まさかそんな格好で現れて、昔話をしに来たわけじゃないんだろう?」

「ああ。話していいか? 親父も聞いてくれ」

「もちろんだ。桜ちゃんからも、少しだけ話は聞いたがな」


そうか。

桜が訪ねた『前社長の友人』とは、親父のことだったのか。

まさかビジネスの相談をしに親父を訪ねるとは思わなかったから、選択肢に無かったのだ。


「変な奴等(やつら)に、会社が目をつけられていて」

「ん? 変な奴等?」

「直生・・会社だけじゃないだろう? 桜ちゃんもじゃないのか?」

「親父、どうしてそれを・・」

「ふぅん、そういうことか、なるほどねぇ」


親父と兄貴がニヤニヤと笑っている。


「確かに会社だけの危機なら、こんなに早く来ないな」

「ククッ、玲生もそう思うだろう?」

「なっ・・」


俺は年甲斐もなく、顔が赤くなるのを感じた。
このふたりには敵わない。

とはいえ、すぐにふたりとも経営者の顔に戻った。


「親父の恩人の会社だろ。何とかしないとな。直生、詳しく話してくれ」


桜のことはともかく、提携話が頻繁にあることや、取引先に圧力が掛けられていることを話した。


「で、その経営コンサルは直生の正体に気づいてるのか?」

「いや・・そんなそぶりは無かった」

「だとしたら、一番敵にしちゃいけない男に勝負を挑んだわけか・・そいつ、終わったな」


兄貴は面識も無い藤澤を、憐れむように言った。
< 48 / 117 >

この作品をシェア

pagetop