秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「桜。桜がいま本当に望んでるのは、俺に抱かれること?」

「え・・?」


ベッドに座らせて、改めて聞いてみる。


「明日の朝まで・・俺といて、桜が一番望むことって何?」

「・・・・」

「何でも。言ってみて」


おそらく、俺のことか会社のことで、これだけ泣きはらした後に抱かれたいと思うだろうか。

そんなエネルギーが残っているようにも、見えなかった。


「でも・・」

「『触れていたい』っていうのが本音だろ? 抱かれたいわけじゃなくてさ。そんなに頑張らなくていいよ」

「直生・・でも、直生が・・」

「桜にずっと触れてたら、我慢できなくなる?」

「・・・・そうなのかなって」

「俺の心配はいいから、な?」


桜をベッドに横たわらせ、俺はその横に寝そべった。

桜は俺の腕に触れ、俺は桜の頬を撫でた。


そのすぐ後に、つーっと涙のしずくが俺の指に落ちてきた。


「ひとりで泣いてたんだな・・」

「会社が・・上手くいってなくて・・。
取引先から、契約を見直したいっていう話がいくつも来ていて・・。それに気づいた銀行からも連絡が・・」

「・・そうか」

「・・それに」

「それに?」

「・・見かねた藤澤が、もう会社を手放して俺と結婚しないか・・って」
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