秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
頬を撫でていた手が止まる。


やはり、そういうことか・・。


藤澤とコンサルティング契約をしている企業が桜の会社に圧力をかけ、そこに藤澤がつけ込む。

そして桜に会社を手放すよう促し、その企業が買収。

藤澤は多額のコンサルティング料と、桜を手に入れることができる・・。

はたから見れば、両者には旨味しかない。


「桜・・藤澤には返事をしたのか?」

「ううん。しつこく迫られてはいるけど・・」


俺は、横になったままで桜を抱き寄せた。


「頑張った桜に、キスしてもいい?」


そう聞くと、俺の顔を見上げていた桜はそっと目を閉じた。


やわらかいキスを何度も繰り返しているうちに、桜はウトウトし始めた。


「桜、もしかして毎晩眠れてなかった?」

「う・・ん」

「少し寝たらいい・・朝までここにいるから」

「・・ほん・・と・・に?」


あっという間に、スゥスゥと小さな寝息が聞こえた。
桜を起こさないように、そっとベッドから離れる。


リビングに移動し、スマートフォンに届く報告をいくつか読んだ。

俺の推測と、桜が話してくれた内容はほぼ一致していて、その裏付けも徐々に進んでいる。


あとは、明日から向かう南米での契約が上手くいけば・・。

契約書の内容と、扱うガラスアクセサリーの写真を何枚か見ながら、俺はようやく手応えを感じ始めていた。
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