秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
朝陽が登る頃、ガチャッとリビングのドアが開く。

振り返ると、ホッとした顔の桜がそこにいた。


「もう・・帰ったかと思った。よかった・・」

「桜に渡したいものがあったから、起きてくるのを待ってたよ」


俺は、何日か前に南米から届いたガラスのピアスを、桜の手のひらに乗せた。


「わぁ・・とっても素敵」

「これは、チリで作られてるものなんだ」

「そうなのね・・うちの会社でもこんな素敵なアクセサリーが扱えたら・・」

「桜、つけてあげようか」


俺は桜の耳にピアスをつけ、近くにあった手鏡を持たせた。


「どう? つけた感じは」

「うん、色使いが爽やか。この色なら夏にピッタリ」

「気に入ってくれた?」

「・・うん」


昨晩は見ることができなかった桜の笑顔が見られて、少しだけ安心した。

でも、またひとりにしてしまう。

大丈夫だろうか・・。


「直生、今夜から海外なんでしょう?」

「そう・・なんだ。夕方には成田に移動して、夜に出発。1週間くらいかかる予定で」

「・・そっか」


俯いた桜を見て、ふと、別れ話をした時に桜が言った言葉を思い出した。

『・・・・待っていても・・いい?』


あの時は約束できなかったけれど、今なら・・。


「桜」


顔を上げた桜に、俺は伝えた。


「俺が帰ってくるのを、待っててくれるか?」
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