秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「帰ってこないな・・」

「そう・・ですね。そろそろ16時になろうかという時間ですが」

「方針を変えよう。まずは担当者に謝罪して、条件の変更を伝える。
その間に社長が帰ってきたら、話をさせてもらおう」

「分かりました。行きましょう」


先方のオフィスに入り、担当者に面会した。
変更した契約条件を説明し、これまでの対応を謝罪した。

その上で、どうしてもあのアクセサリーを取り扱いたいということを、熱心に伝える。

桜がピアスをつけた時のことを思い出しながら、想いが伝わるよう願った。


すると、ガチャッとドアが開いて、見覚えのある人が部屋に入ってきた。


「ん? 服部さんじゃないか。どうしてここに?」

「え? あの・・木内(きうち)さんこそ、なぜ・・」

「専務、お知り合いの方ですか? 木内さんが、こちらの社長をされている方で・・」

「ん? 専務?」

「え・・社長?」


どういうことだ・・。

昨日俺が会いにいった、前社長の尋ね人が木内さんだったのだ。


木内さんはその場にいた部下に話を聞き、俺が持参した資料と契約書を見ながら、何か指示を出している。


「服部さん、いま部下に内容を再確認させています。それが終わるまで、少し話をしましょうか」


そう言って、木内さんは俺を社長室に案内してくれた。
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