秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「明日、成田の到着ロビーで会おう・・・・いまさらだけど、来てくれるか?」


もちろん、断られない前提で聞いている。
でも、桜の答えを確かめずにいられなかった。


「この状況で『行かない』は無いでしょ・・直生ったら、私に何を言わせたいの?」


そう言って、桜は笑った。


「桜にも『早く会いたい』って言ってほしいんだ・・」

「直生・・。直生、やっぱり変わったわ」

「え?」

「だってそんなこと言われたら、会いたい気持ちが抑えられなくなるじゃない」

「・・桜」

「・・こんなに、直生を思って切なくなるなんて思わなかったな」


胸が苦しい、と桜が小さな声でつぶやいた。

でも俺が変わったのだとしたら、変えたのは桜だ。


俺の方こそ、どうしたらいいのか分からないほど、気持ちが溢れて止まらない。


「桜、今夜ちゃんと寝ろよ」

「ん? なによ急に」

「明日の夜は、眠れないからな」

「・・やだ、直生」


照れた桜を目に浮かべながら『それじゃ』と俺は電話を切った。


帰ったら、まず何から手を付けようか・・

やらなければいけないことが、いくつかある。


でもまずは、寂しい思いをさせた桜の心と身体を、癒すことから始めよう。

そんなことを考えながら、成田までの飛行機の中で目を閉じた。
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