秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
いない・・。


いつまで待っても桜は到着ロビーに現れなかった。


「なんでだ・・・・」


何度かけても、電話すら通じない。

到着から2時間待って、俺は諦めて成田空港を後にした。


「室長、服部です」


タクシーの中から室長に電話した。


「お前、今どこだ?」

「どこ・・って、成田から家に帰る途中ですけど」

「なんだよ日本にいるのか! 今すぐ病院に向かうんだ。社長が昨日の夜に倒れて・・」

「・・え?」


そんなバカな。

昨日、桜と話をした時は変わった様子も無さそうだったのに。


室長に病院の名前と場所を聞き、すぐに向かった。


静かに病室のドアを開けた俺の目に飛び込んだのは、桜の手を握る藤澤だった。

思わず、ドアを閉めた。

気づかれただろうか・・。


いやそんなことより、なぜ藤澤が桜のそばにいるんだ?

もしかして、あいつと一緒にいる時に倒れたのか?

それも、夜に・・。


グルグルと考えていると、ガラッと目の前のドアが開いた。


「お前・・こんなところで何やってるんだ?」

「室長に、社長が倒れたと聞いたもので・・」

「だからってお前が来る必要は無いだろう。もうとっくに別れてるんだし」

「・・秘書は、休んでいただけでまだ辞めていない」

「だとしても、未来の夫がそばについてるんだ。お前の出る幕は無い。帰るんだな」


未来の夫・・。
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