秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
少し落ち着いたのか、桜は俺から離れてバルコニーに出た。


「外の風が気持ちいい」

「そうだな。具合、悪くないか? まだ無理するなよ。さっき退院したばかりだぞ」


ふふっ、と桜が小さく笑った。


「過保護なんだから」

「それは・・最初からだろ」

「そうだけど・・。前はどこかで『秘書』としてって線があったような気がしたけど、今は違うと思う」

「そう・・だろうな」

「自分でも自覚あるんだ・・ふふ」

「桜、俺さ」


♬♬♩〜

桜のバッグからスマートフォンの着信音が聞こえた。

この音は、桜が『社長』として使っている方だ。


「はい。・・そう・・それはいつ? 分かったわ。明日準備しましょう。それじゃ」


ふぅーーー、と桜が大きく息を吐いた。


「どうした? 何かあったのか?」

「うん・・。いよいよ銀行が融資を止めたいと言ってきてるらしくて。
取引先と契約を見直す・・つまりこちらが打ち切られるっていう噂話が広がってるのね。まだどことも具体的な話にはなっていないから、それをきちんと証明しようと思う」

「なるほど、だから昔の契約の資料を読みあさっていたのか」

「そう。当時の契約内容を確認しておきたくて。打ち切るにしても、条項に沿って手続きされるはずだから」
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