秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「専務、お待たせいたしました。いかがでしょうか? 専務のスーツのテイストにも合わせたので、横に立つととてもお似合いですわ」


桜が、何か言いたそうにスタッフの後ろで俺を見ている。


「ありがとう。いつも助かります。またよろしくお願いします」


スタッフに礼を言い、桜とふたりにしてもらった。


「桜、どうした?」

「私、直生を何て呼べばいいのかと思って・・」

「それで困った顔をしていたのか。まぁ、この格好じゃ名前で呼ぶわけにもいかないしな」

「それより直生、専務って・・」

「それはこれから話す。
桜、そのスーツいいな。桜の雰囲気によく合ってる。同じサイズで、俺が見立てたデザイン違いも何着か頼んでおいたから、今度着るといいよ」

「頼んでおいたって・・・・直生、いったいどこの専務なの?」

「さぁな。今後、スリーピースのスーツを着た時だけは、俺を『服部専務』と呼んでくれれば」

「よく分からないけど、分かったわ。服部専務」

「そう、それでいい」


俺は桜の頭をポンポンと撫でた。


「さて、そろそろ行こうか。桜がこの1ヶ月で失いかけたものを全て取り戻す。その作戦会議だ。
今まで黙ってたことも話すよ」

「直生・・それって・・」

「『服部専務』だろ? 山脇社長」


俺は桜に微笑んで、迎えの車に乗せた。
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