秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
「ここは・・」


本社のエントランス前で、車から降りた桜はビルを見上げた。


「知ってる? うちの会社」

「うちの会社? え、どういうこと? 服部トレーディング・・服部・・え?」


状況が飲み込めていない桜に追い打ちをかけるように、タイミングよく親父が別の車から降りてきた。


「会長」


そう声をかけた俺と親父を交互に眺めて、桜はさらに慌てているようだった。


「え? おじさま? 会長? ええっ?」

「おや、桜ちゃん。なんだ、専務と一緒だったのか。ということは・・俺のこともバレちゃったな〜」

「おじさま・・が、服部トレーディングの会長・・・・。私、もう何が何だか・・」

「ついでに言うと、俺の親父ね」

「ああ! もう熱が出そう!」

「アハハ、桜ちゃん大丈夫か? いろいろ落ち着いたら、直生とうちに来るといい。じゃあ、お先に」


そう言って、先に秘書とエントランスに入っていった。


「俺たちも行こうか。山脇社長」

「え? ええ、そうね」


桜と並んでエントランスに入ると、そこにいた社員たちがざわめいた。

女性社員だけではなく、男性社員も。


桜は社長なのだ。
桜自身にも、当然経営者としてのオーラがある。


『専務と一緒の女性は誰?』


誰もが桜に釘付けだった。
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