秘書の溺愛 〜 俺の全てを賭けてあなたを守ります 〜
桜は、あっという間に俺の部下の気持ちをつかんでいた。

優秀・・だ。やはり、経営者としても。

だからこそ、今回の難局だって耐えられたのだと改めて感じていた。


「服部専務は、みなさんにとって素敵な上司なのね」

「え? 何だよ急に」

「みんながあなたを慕っているのが、よく分かるわ。羨ましい」


そう言って桜が微笑む。


「・・だとしたら」


桜の言葉に反応して、西川が何かを言いかけた。


「あ、すみません・・口を挟んで」

「いいよ、西川。何?」

「はい。専務がそうだとしたら、その専務が『人生を賭ける』お相手の山脇社長を表現する言葉って、何なのかな・・って」


俺は、一瞬だけ考えてから言った。


「・・無いな。ひと言で表せるような言葉なんて浮かばない。
もう分かっているだろうが、経営者としても優秀だし、女性としても魅力的だろ? 兄貴には、溺愛してるってからかわれたくらいだ」

「やめてよ・・もう、恥ずかしい・・」


赤くなった桜は、手のひらでパタパタと顔をあおいだ。


「山脇社長、そろそろ行こうか。藤澤親子の対処は追って決めよう」

「専務〜、独り占めですか?」


部下たちが楽しそうに声を上げる。
< 88 / 117 >

この作品をシェア

pagetop