俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
無意識だったから自分でも恥ずかしくなり、両腕を突っ張ってぐいっと彼から身を離した。
私ってば、なんですっかり鷹矢さんのペースに巻き込まれちゃってるの……。
「ふうん……まぁいい。キスも上達してきたし、そのうち嫌でも素直にさせてやる」
鷹矢さんは不敵な笑みでそう言うと、私をその場に放置して食事の席に戻っていった。
甘く濃密な空気からようやく解放され、腑抜けたようにフラフラとした足取りで廊下に出る。
しかし、バスルームに向かう途中で立ち止まると、思わず壁に寄りかかって、キスの余韻が残る唇に触れた。
鷹矢さんにとってのキスと、私にとってのそれは、きっとそこに含んでいる意味の重さが違う。だから、あんなに何回もできるのだ。
こっちは一度彼の唇が触れるごとに、心臓が破裂しそうなくらい痛くなるのに。
「鷹矢さんのばか……」
決して埋まることのない年齢差や、経験値の差。それに、見た目や身分の差。
それをずかずかと乗り越え、あらゆる手練手管で懐柔しようとしてくる彼に、悪態をつかずにはいられない。
「本当に好きになったら、どうしてくれるの……?」